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「キィィィェィァァ~!!」
な、なんだ?
ただならぬ不安を覚えた俺は、店内へと続く小汚い通路を全速力で走る。
「か、か、金を…、だ、出せ…!」
キラリと光る鋭利な刃物をレジのおばちゃんの首もとに突きつけ、そいつは立っていたんだ。
ぐっ…
なんだよ!なんなんだよ!
今から帰って松島さんをオカズにっ…!
くそっ!
なぜ俺だけ!
俺だけいつもこんな目にっ…!
…してやりたい。
ぶっ殺してやりたい!
目が血走る。
いや、目が微かに赤く光ったという表現が正しいか。
だが、立ち上がれない。
強気な心の中とは裏腹に、俺は腰を抜かしていたんだ。
「ちょっと、あ、あなた。や、やめなさい!」
声の主は松島。
「ま、松島さんっ…!クソッ!」
湧き上がる不思議な感情。
俺の脳内でエンドルフィンが大量分泌されてるのがわかる。
赤い光が輝きを増す。
「親父…。俺はやればできる子…なんだよな…?」
よし、足に力が入る。
と、その時、
本日二回目、
時間通りに
またあの男が
やってきたんだ。
∞つっしー∞
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