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「まっ、待ってくれ僕の宇宙!」
車に乗り込みかけたスーツ男は、まるで追いかけて来るのが分かっていたかの様に後ろ向きのまま答える。
「…なんや」
「ぼ、僕は…」
と、言いかけた瞬間、
スーツ男が遮った。
「なぁ、坂下…」
「坂本です!」
「…どっちでもええがな」
呟くようにそう言うと、スーツ男が胸ポケットから何かを取り出し、無造作にソレを坂本に手渡した。
そして真っ赤なポンコツワゴンRに勢いよく乗り込み、けたたましく黒い煙を吐きながら消え去っていった。
その場に残された黒煙は、まるでこれから起こるサイケデリッコでヒューマノイズな展開を暗示しているかの様だった……
笑ちゃんパパ
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