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あぁ、ひかるくんはなんて優しいんだろうか。愛流はそんなことを思ったが、
「それでも、ボケボケしたところがあるからねぇ」
「連絡事項を一つ言い忘れていたりとか、準備したのはいいものの内容が変わったことを準備後に知ったりとか?」
「そーそー」
話の最後はへこむのだった。
愛流は授業中にもかかわらず、ため息をついていた。自分はそんなにボケボケしているのだろうか、とずっと考えていたのだ。
確かに、色々と失敗はある。でもボケボケしてないと思いたいが、出てくるのは失敗したことばかりだ。考えれば考えるほど自分が情けなくなってくる。
委員長としてしっかり出来ているのだろうか。今まで、委員長としてがんばってきたつもりだが一人相撲だったのだろうか。愛流の頭の中ではそんなネガティブなことがひたすらぐるぐると回っていたのだった。
愛流の思考がネガティブスパイラルになっていようと時間は止まってくれない。午後の授業が終わり、気がつけば掃除も終盤だ。
「いいんちょー。ちょっといいかな」
クラスメイトにそう言われ、愛流は何かと質問する。
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