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真哉はしばらくの間その2センチにも満たない白い塊を見つめていた。
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風が吹くたびに散る、薄紅が頬を撫でる。
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その手のひらにゆっくり唇を近づけて、息を吸うように、その白い『彼』を口に含んだ。
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かさりとした感触に、急に胸が詰まった。
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高温で焼かれた白い骨は、少し歯を立てただけでぼろっと崩れていく。
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吐き出しそうになるのを懸命にこらえて、飲み込んで、息をつく。
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普段何気なくしている飲食の行為が、神聖なものに思えた。
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自分の身体に、『彼』を取り込んだ。
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『彼』の欠片を取り込んだ。
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頭の上で、桜が狂ったように散っていた。
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