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「あれ?真哉は?」
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集まったメンバーを見回して、秀雄が開口一番そう言う。
窓の外は白い風が吹いていた。
読んでいた雑誌からゆっくり目を上げて、孝志が窓の外を見る。
西から東へと風に乗って白い雪が、流れていた。
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「…行ったよ」
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笑い顔とも泣き顔ともつかない、消えてしまいそうな表情と声。
いつから、それが目立つようになったのだろう。
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「そうか、もうそんな時期なんやなあ…」
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東京にいると、見えないもの。
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足元からやってくる、春。
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煙草に火をつけて、秀雄も窓の外に目をやる。
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相変わらず、雪が、西から東へと。
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