プロローグ

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青い炎が揺らめく。 金属音――剣の合わさる音が、薄暗い闇の中に響き渡る。 白地の仮面に刳り貫かれた三日月が嗤う。 相手は仮面をかぶった男。 その剣を弾き、仮面の男の喉元に切っ先を突き付けた。 炎が揺らめく。 「約束は守ったわよ」 絶壁の上。 月明かりを受けて紫の髪が妖しく輝く。 女の腕には小さな子供がひとり。 子供の頭を鷲掴みにして、宙吊りにする。 すぐ下では黒い海が広がり、うねる波が手を伸ばして待ち構えている。 女は白い腕の力を抜いた。 支えを失った子供の身体は、重力に逆らうことなく落ちていく。 水音とともに、子供の身体は海中へと沈んでいく……。 「生きていたら、また会いましょう」 紫の髪の女は満足したように高く笑った。 「ねぇ、ジェラルド」 炎が消えた。
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