金獅子

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「って思ったけど、やーめたっ」 男はエレンの肩を掴み、強引に自分のほうを向かせた。 あまりにも軽率な男の言動にエレンの苛立ちは募るばかり。 「やーめたって……」 ――あんたは子供か。ってか触るな! なんて言い返してやろうか考えているうちに、男が先に口を開いた。 「何か用があるんだろ? 聞いてやるよ」 それを聞き、サンドラがよろよろと起き上がる。 素早く床に両手を着いて、床にめり込むほど頭を深く下げた。 「さ、さすがは王子様や! この娘の無礼、お許しください!!」 「いーよ」 ――軽っ!! 「ああありがとうございます! じっ、実はその……」 大げさな身振り手振りを交えながら、サンドラは手短に説明した。
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