8059人が本棚に入れています
本棚に追加
「って思ったけど、やーめたっ」
男はエレンの肩を掴み、強引に自分のほうを向かせた。
あまりにも軽率な男の言動にエレンの苛立ちは募るばかり。
「やーめたって……」
――あんたは子供か。ってか触るな!
なんて言い返してやろうか考えているうちに、男が先に口を開いた。
「何か用があるんだろ? 聞いてやるよ」
それを聞き、サンドラがよろよろと起き上がる。
素早く床に両手を着いて、床にめり込むほど頭を深く下げた。
「さ、さすがは王子様や! この娘の無礼、お許しください!!」
「いーよ」
――軽っ!!
「ああありがとうございます! じっ、実はその……」
大げさな身振り手振りを交えながら、サンドラは手短に説明した。
最初のコメントを投稿しよう!