金獅子

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“第二魔法研究所” 風雨に晒され、茶色く錆びついたプレートが壁に掛けられている。 「何が出てくるかわからねぇからな。注意して歩けよ」 キースが半開きの扉に手をかけると、錆びた扉は気味の悪い音を立てながら開いた。 闇の中に長い廊下が延々と続いている。 籠もった嫌なにおいのする空気。 窓はすべて内側から板で打ちつけられており、外の様子が見えないようになっていた。 「真っ暗ね……」 暗闇に不安を感じつつ、持ってきたランプを頼りに先に進む。 板張りの床は歩くたびに軋み、抜けてしまうのではないかと不安に思うほどだった。 闇に響くそれは、腹を空かせた魔物が獲物を狙っているかのよう。 「セレ! どこ触ってんのよ!」 「ご、ごめん……」 「オイ、足踏んだの誰だよ!」 「ごめんなさっ……」 言い争う最中。 ゴトッ、とすぐ近くの部屋から物音が聞こえてきた。 何か硬いものが落ちたような、そんな音が。
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