半魔物

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ジャネットは、ポツポツと過去を語りはじめた。 小さい頃から身寄りがなく、教会で保護されていたこと。 三年ほど前から始まった“半魔物狩り”により、半魔物の首には多額の賞金がかけられた。 今までかくまってくれていた教会もついに裏切り、身の危険を感じたため命からがら逃げ出してきた。 教会を飛び出してからは、ここの研究所に隠れていたという。 深刻な話に空気が重くなるが、セレの場違いな質問がそれを破った。 「半魔物って何?」 思わず、ずっこけそうになる。 「あれ、まだ話してなかったっけ……?」 「うん」 「半魔物っていうのはね……」 半魔物とは、聖戦時にヒトと魔の間に生まれた子供や、その子孫のこと。 外見はヒトと全く同じ。 生まれながらにして魔力を持ち、呪文の詠唱を必要としない。 半魔物の特性で、何らかの動物に姿を変えることができる。 「……こんなところかな?」 これはエレンの――世界の誰もが知っている一般常識だ。 「どうして狩られるの?」 なおもセレの質問は続く。 言葉に詰まるエレンに代わって、ジャネットが簡単に答えた。 「覚醒する半魔物が現れる前に絶滅させてしまえって……」 言葉が終わらないうちに、扉の開く音が耳に届いた。
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