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「なっ……おまえら!?」
燭台を手にして現れたのは、白衣に身を包んだ中年の男。
その姿を見てジャネットの顔が蒼白になる。
「知らせなければ……!」
侵入者たちを確認した白衣の男は、素早く廊下に姿を消した。
「待てっ! おい、離せよ!」
追い掛けようとしたキースの腕を、ジャネットが掴んで止める。
「ダメよ! 殺されるわ」
「はぁ?」
「ここではね……」
ジャネットの口から出た衝撃の事実。
この研究所は表面上は閉鎖されているが、奥では少数の研究員によって研究が続けられている。
もちろん極秘で。
彼らは半魔物――強い魔力を持つ媒体を用いて、強力な兵器を作り出そうとしているのだ。
「に、逃げなきゃ! 殺されるわよっ!」
「どーでもいいから行こうぜ」
ジャネットの話に顔色一つ変えず、キースは落ち着き払って言った。
「なに言ってんのよっ!」
「このまま逃げたら、ここに来た意味がねーんだよ」
疑問に思い、エレンはすかさず尋ねた。
「ねぇ、ここに来た理由って何なの?」
「ここの奴らが管理してる監獄の鍵を奪いに来た」
短く答え、キースは男を追って廊下に消えた。
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