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「バレたんならしょうがねぇな。行くぞ!」
古い木造の扉を蹴破り、キースの合図と共に部屋に乱入した。
壁に掛けられた無数のランプが室内を明るく照らしている。
白衣を着た男が三人。
侵入者を前にその表情は堅い。
先程の薬品庫の十倍はあるだろうか。
高い天井と、研究器材を置くのに十分な広さの部屋には、機械という名の鉄の塊が空間の半分以上を埋め尽くしている。
液体の張った大きな水槽がいくつも並び、中にはヒトのようなモノが浮いていた。
――あれは?
「あ、あ、あぁ……」
ジャネットは目を見開いたまま、へなへなとその場に崩れた。
緑の瞳は水槽に釘付け。
ぺたりと膝を着き、震える身体をきつく抱き締める。
ゆらゆらと水槽に浮かぶモノ。
それはまさしく半魔物の死体だった。
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