2人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
今、T高校の玄関に
合格発表が出された。
人が一斉に集まる。
様々な声が聞こえる。
T高校はそれほどの
優秀校ではない。ただ、
校則が厳しい、
学祭はかなり本格的、
などの特徴が
いくつもある。
「……クソッ……
見えね~…」
ひときわ目立つ
男子生徒がいた。
里山 幽兎(ゆうと)
である。彼は軽い不良で
ありながら身長は
かなり少ない。
髪型は短髪で茶髪、
ワックスで固めて
ツンツンにしている。
当然、受験の際には
まともな姿で受験した。
「見えないの~?
見てあげようか?
幽兎の受験番号何番?」
隣に立っているのは
長身でロングストレート
の髪型をしている女子。
名前は佐山 魅由(みゆ)。究極のドジッ娘である。
「受かってるから
見なくてもいいっつの。
番号は1258だよ」
「すごい自信だねぇ~。
でも見ないと結果は
わからないよ~?
どれどれ~~…………」
魅由は少し前に出て
つま先立ちした。
「いいっつってるのに…」
幽兎は呆れながら
魅由の横に行こうとする。すると…
「あぁッ!!」
と、魅由が叫んだ。
「っるせ~なァ…。
どしたんだよ?」
「幽兎の番号がない!」
「そんな訳ねぇだろ」
「ほんとだって!
ちょっと見に行こッ!」
魅由は一人で
走っていった。
「ったく…
しゃあねぇなぁ…」
幽兎もゆっくり
着いていく。
魅由は人ごみの中に
入っていく。
「人…多いな…」
潰れそうになっている。
そして玄関の前にある
階段を登っていく。
なかなか進めない。
と、次の瞬間。
ドンッ!
と魅由の体に男子生徒の固まりがぶつかった。
その弾みで魅由の体は
大きく傾いた。
「へ……」
後頭部から地面に向かって倒れていく、
魅由の体。
もう人ごみから
外れていたため、
支えのモノがない。
魅由はそのまま
倒れていった。
最初のコメントを投稿しよう!