一.入学

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今、T高校の玄関に 合格発表が出された。 人が一斉に集まる。 様々な声が聞こえる。 T高校はそれほどの 優秀校ではない。ただ、 校則が厳しい、 学祭はかなり本格的、 などの特徴が いくつもある。 「……クソッ…… 見えね~…」 ひときわ目立つ 男子生徒がいた。 里山 幽兎(ゆうと) である。彼は軽い不良で ありながら身長は かなり少ない。 髪型は短髪で茶髪、 ワックスで固めて ツンツンにしている。 当然、受験の際には まともな姿で受験した。 「見えないの~? 見てあげようか? 幽兎の受験番号何番?」 隣に立っているのは 長身でロングストレート の髪型をしている女子。 名前は佐山 魅由(みゆ)。究極のドジッ娘である。 「受かってるから 見なくてもいいっつの。 番号は1258だよ」 「すごい自信だねぇ~。 でも見ないと結果は わからないよ~? どれどれ~~…………」 魅由は少し前に出て つま先立ちした。 「いいっつってるのに…」 幽兎は呆れながら 魅由の横に行こうとする。すると… 「あぁッ!!」 と、魅由が叫んだ。 「っるせ~なァ…。 どしたんだよ?」 「幽兎の番号がない!」 「そんな訳ねぇだろ」 「ほんとだって! ちょっと見に行こッ!」 魅由は一人で 走っていった。 「ったく… しゃあねぇなぁ…」 幽兎もゆっくり 着いていく。 魅由は人ごみの中に 入っていく。 「人…多いな…」 潰れそうになっている。 そして玄関の前にある 階段を登っていく。 なかなか進めない。 と、次の瞬間。 ドンッ! と魅由の体に男子生徒の固まりがぶつかった。 その弾みで魅由の体は 大きく傾いた。 「へ……」 後頭部から地面に向かって倒れていく、 魅由の体。 もう人ごみから 外れていたため、 支えのモノがない。 魅由はそのまま 倒れていった。
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