薄暗い部屋の一室

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「……さん!…いさん!」 「……っ……」 誰やねん? ゆっくり目を開けると 「あっやっと目覚ました」 「…井上?なんでお前ここにおんねん?」 起き上がろうとした時 「……っ!……」 頭に鈍い痛みが走った。 その痛みにおもわず顔をしかめた。 「大丈夫ですか?」 井上が心配そうに俺に聞いてきた。 「大丈夫や…」 そう答えながらゆっくり起き上がり、周りを見渡した。 どこやねん?ここ…… そんな事思いながら、頭に手をやろうとした時 手に違和感を感じた。 違和感のある手を見ると 「これ………」 手には鉄の腕輪のような物がはまっていた。 それも両手に…… 「なんやねんこれ……」 少し苛立ちながら小さく呟いた。 「……井本さん」 井上に呼ばれた。 「なんやねん?」 「…これ……」 井上から一枚の紙を渡された。 「……ポケットに入ってました」 多分井本さんの服にも入ってると思いますよ?と付け加えた。 そう言われ、服を触ってみると ガサッ と紙に当たった音が聞こえた。
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