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『こんな誰もおらん教室に…』
俺達は、お互い顔を見合わせた。
藤原さんが決心したように小さくため息をついて
「ちょっとここに用があってな…」
『用て?』
「探し物があって…」
『探し物?それ『井本!』…!?』
井本を呼ぶ声が聞こえ、その後に現われたのは
「あっ……」
石田がその正体を見て小さく呟いた。
『なんでここにおんねん?帰ったんちゃうんか?』
振り返りながら現われた少年に問い掛けた。その後に出た名前は
『藤原…』
『忘れ物してん…』
苦笑いを浮かべながら答えた。
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