first trap―過去の二人―

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それも自分の鞄で…… 「………………………………」 『早くして下さい』 そうまた言った。 「ありがとな」 と俺は、一言礼を言って 骸骨の頭をまた思いっきり蹴り上げた。 蹴り上げられた頭は、地面に落ちると身体も地面に崩れ去り、砂となった。 「……はぁ」 と小さくため息をついた。 ため息をついていたが 「藤原さん!!」 と石田が慌てたように俺の名前を呼んだ。 「どうした?」 「藤原さん後ろに」 石田が俺の後ろを指差しながら 「違うやつが……」 と呟いた。 「えっ?」 後ろを振り向くとそこには 「またか……」 手にハンマーを持った骸骨が地面にハンマーを引きずらせながら近付いてくるのが見えた。 「一旦逃げよ……」 「えっ?」 「学校に戻る」 ええな?と聞くと 一言分かりましたと言って立ち上がった。 『俺達もええ?』 高校生の井本が聞いてきた。
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