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「……っ……」
声が出ないほどの痛みが襲ってきた。
まさか……
『あーあ、早速怪我をなさったみたいですねぇ……』
黒い服を纏った少女が嬉しそうに呟きながら、急に現われた。
「………………………………」
『可哀相に……』
「お前っ…………」
『私に怒ってもしょうがないじゃないですよ…悪いのは、私じゃないんですから』
笑ったまま答えた。
「…くそっ……」
あの女むかつく……
『こんなものまだまだ序の口ですよ……お二人さん』
もっと痛い目に合って貰わないといけませんからね……と付け加えてどこかへ行ってしまった。
「ほんまなんやねんあいつ」
「兄さん落ち着いて下さい!」
「あんなん言われて落ち着いてられる訳ないやろ!?」
「たしかにそうですけど!?そんな事言っても何も出来ないじゃないですか!」
「そうやけど!…………そうやな」
少し落ち着きながら小さく呟き、
「無理してなければええんやけどな……」
そう言いながら腕と片頬を押さえた。
「全て受け止めてやるわ……」
呟いた瞬間だった。
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