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「ね、いいだろ。また今度にしよ。じゃ、手、どけるよ」 反対の声が上がらないのを幸いと、久遠はゆっくり腕を引き始めた。 しかし、上に重なっている織恵の手が汗ばんでいる為、すぐには離れない。 それを引きはがすように、力を入れた。 《カチャ》 その途端、久遠の手は一センチほど下がり、軽い音がして、パソコンのキーが押されてしまう。 「あ~!!!!」 その瞬間、久遠の視界が真っ暗になった。
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