絶望と恐怖と信念と

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しばらく話すと少年は黙り俯いてしまった。 「そっか。お前は魔力が無くて・・・。 俺が捨てられたのは力が“ありすぎて”なんだ。」 そう言って顔を上げた少年は今まで有ったことを話し始めた。 「俺は東の大陸『ヒノナカ国』のとある良家に産まれたんだ。 良家っつうと、貴族みたいなもんだ。 俺は今まで魔力が多いこと意外何の不自由ない暮らしをしていたんだが、親が地位を奪われることを恐れ俺に刺客をよこす様になったんだ。 何とか逃げ切った俺は最後の最後に親に捕まりこの森に飛ばされたって訳さ」 「君はこの後どうするの?」 心配になって問いかける。 「俺は今から国に戻ってあの親たちに復讐するんだ」 少年の顔は怒りに満ちている それを止める様に言葉を発した。 「復讐は何も生まない。 生むのは復讐だけだ。そんな事より俺たちともっとでっかい事しようぜ・・・!!」 「そん、な・・・。俺の復讐をそんなことだと? じゃぁ、俺はどうやって生きて行けって言うんだ・・・?!」 この話を聞いて、ユビックはロージーと目を合わせ頷きあう。 どうやら同じ考えを持っていたらしい。 ロージーは少年に近づきユビックと同じように優しく言葉を投げかけた。
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