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ここはイブリシテン王国北端。人里から離れた洞窟。
そこには白と黒の色のローブを着ている青年と、漆黒の鱗を纏った龍がいがみ合っていた。
―グルルルル。
「早く終わらせるぞ。寒いのは嫌いなんだ」
16になったユビックは漆黒の龍『ドレット・ダーク・ドラゴン』に向かって愚痴をこぼすと、その愚痴が聞こえた龍は表情を怒りに変え蒼色の炎を吐き出した。
それを軽く飛んでかわすと、ユビックは右手を龍に向けた。
「やはり理性を失い、人々に危害を加えても龍は龍だな」
龍は基本的に知能、魔力、体力が人に比べものすごく高く、人々と接触しない。
龍はユビックが避けた方向に首を向けるとまた蒼炎を吐き出す
「クソッ。やりにくいな。【黒魔法・風-マッハ-】」
蒼炎が駆け抜けた先にはユビックの姿は無かった。
それと同時に龍の後ろに姿を現したユビックはいまだに向けている右手に黒い魔力が集まる。
「一発だ。【黒魔法・闇-ポンド-】」
龍の上から黒い塊が落ちると、龍を巻き込み地面を凹ます。
絶命した龍から紅い魔力がでている。
「最近『暴走』している魔物が多いな」
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