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悲しくなった僕は母親の目を盗んで
お姉ちゃんの部屋に行った
僕はお姉ちゃんの部屋行くのを母親に強く禁じられていたので
かなり勇気がいった
お姉ちゃんはぽんすけを見ると
とても悲しそうな顔をして
一緒に庭についておいで
そんな顔をして僕に知らせた
お姉ちゃんは穴を掘ってぽんすけを埋めようとしたので
そんなことをしたらぽんすけがかわいそうだ
と僕は思ったけど
優しいお姉ちゃんがぽんすけをいじめるはずがないので
僕は黙って見ていた
穴の中にぽんすけを置くとお姉ちゃんは
ぽんすけの大好物だったひまわりの種を取り出し
それを一つだけぽんすけの上に乗せた
きっとぽんすけのお腹が空かないようにだ
と僕は思った
やっぱりお姉ちゃんはぽんすけをいじめてはいなかったんだ
その上に土をかぶせながらお姉ちゃんは泣いていた
その時僕は少しだけ死の意味がわかった気がした
その夜お姉ちゃんは
「ひまわりのたねひとつだけでぽんすけおなかすかないかな?
ぽんすけがくらいところにひとりでさみしくないかな?」と泣き出した僕を
一晩中抱きしめて一緒に泣いてくれた
次の日の朝目覚めるとお母さんがかんかんに怒っていた
僕が勝手にお姉ちゃんの部屋に入ったのがばれたからだ
お母さんはお父さんと一緒になってお姉ちゃんを殴った
僕はやめてくれ
やめてくれって思ったけど
まだあの頃に僕には止める力すらもなかったんだ
僕はお姉ちゃんの手を取って外に逃げることにした
後ろでお母さんが何か叫んでいたけど
僕は恐ろしくて振り返ることもできなかった
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