1081人が本棚に入れています
本棚に追加
え?
「弟じゃないけど家族みたいに可愛いんですよ――――――………」
そうか、やっぱりそうだよね
大切な人なんて言われて期待しかけた
ヨルはまだなんか言ってるけどやっぱり少し苦しくなって下を向いていた
このあとも少しだけヨルと女の人は話していた
チクチクチクチク
胸の痛みは治らない
少し時間が経って
「携帯の手続き終わりました。」
そう言って俺達に携帯と絶対読まないであろう分厚い説明書の入った袋を
渡した
「ありがとうございました。ほら、アサ行くよー」
突っ立っていた俺に先に歩き出したヨルが声をかけた
『…。』
ヨルの所に行こうと思って歩き出したら
「あ、すいませんお客様」
先ほどまでヨルと話していた女の店員さんが俺を呼び止めた
『?』
そして耳元で
「あなた、あの人にすごい大事にされてるわよ。だからそんなに暗い顔しないで笑っていなさい。それと…―――――――」
『……ほん…とですか?』
「ええ、だから自信もって、あの人の前ではそんな顔しないの!」
『はい』
勝手に頬が緩んで笑っていた
「綺麗に笑うわね、よし!行ってきなさい。楽しみなさいよデート」
そう言ってすごくすごく綺麗にその人は笑った
「アサ遅いー!!」
出口の方から待ちくたびれたみたいでヨルが呼んでいる
『待って!今行くから!あの………ありがとう。』
「どういたしまして。」
俺はヨルの所に走った
_
最初のコメントを投稿しよう!