27人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・。」
目が覚めると、森の中にいた。
「え~っと・・・あれ?」
正直、訳がわからない。
…たしか、学校帰りに、
駅で友達とデュ〇マのカードで
勝負していて…、
それで…時間やし帰ろうって
いうことになって…。
「あ、思い出した。」
そうだ。
家に帰る途中、
急に穴に落ちたんだ…。
「でも…。」
俺は周りを見る…。
「やっぱりおかしいな。」
そう。
明らかに違うのだ。
自分の記憶では、
コンビニをとおり過ぎて、
穴に落ちた。
しかし、周りにコンビニなど
ないし…、
まず、穴に落ちたのに、
穴の中に自分はいない。
「変だな…。」
とくに理由もなく空を見上げる。
「満月…いや、十六夜
(いざよい)かな?」
空にあった月は満月に見えるがよく見れば、
ほんの少し欠けていた。
よくいう十六夜月である。
「まあ、綺麗やしいいか♪」
少しばかり、その月で
癒された。
「とりあえず動くか…。」
そう言って俺は立ち上がった。
「あ…そういえば!」
俺は、すぐに制服のブレザーの
ポケットに手を入れた。
「よし!いける!」
ポケットの中身は何も変わっていない。
それが幸運だった。
俺はポケットから手を出すと、
横にあったかばんを持ち、
歩き出した。
その時、俺は気付かなかった。
俺の後方から忍び寄る、
その気配には…。
最初のコメントを投稿しよう!