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明るい月の下、歩く俺。
「…まったく。さっきから…」
俺は振り返る。
…しかし、誰もいない。
ただ、いないといっても
それは目に見えないだけだ。
「でてこい!
いるのはわかっているんだ!」
俺は誰もいないところに
むかって叫んだ。
「…ばれたのか~?」
何もないところ、
正確には真っ暗で何も見えないところから、
少女が現れた。
「…?嘘だろ…。」
俺は、その少女を知っていた。
黄色い髪、かわいらしい童顔、黒い服…、
そして・・・、
髪に結ばれた赤いリボン。
その少女は俺にむかって
つぶやいた。
「ねぇ?あなたは食べてもいい人類?」
そう…。
俺の目の前に現れたのは…、
「ルーミアか…。」
ルーミアと呼ばれる妖怪だった。
※ルーミア
闇を操る能力を持つ妖怪。
そのかわいらしい童顔とは
うらはらに、人を喰う
人喰い妖怪でもある。
ルーミア
「食べてもいいのか~?」
「どちらかと言うとダメだな。」
ルーミア
「そーなのかー?」
「そーなのだー。
でも、お腹が空いているなら…」
俺はポケットから
あるものを取り出した。
ルーミア
「なんなのだ?」
「ハイチュウ!グリーンアップル味!」
ルーミア
「ハイチュー?」
俺はハイチュウを
ルーミアに渡した。
「俺はダメでも、
それでお腹をふくらますくらいならできるだろ?」
ルーミア
「…パクッ。
…おいしい!」
「よかった…。」
ルーミア
「もう一個~!」
「え?はい。」
もう一つ渡す。
ルーミア
「もう一つ~。」
「え!?」
…結果、
ハイチュウ7個で、
ルーミアは、止まった。
「もう大丈夫?」
ルーミア
「うん。ごちそうさま」
「あはは…。よかった…。」
ルーミア
「えっと…。」
「あ、俺は刃。
よろしくね、ルーミア。」
ルーミア
「…?なんでルーミアを
知ってるのだ~?」
刃
「え?ああ…それはね…」
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