第1幕・幻想入り(1)

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明るい月の下、歩く俺。 「…まったく。さっきから…」 俺は振り返る。 …しかし、誰もいない。 ただ、いないといっても それは目に見えないだけだ。 「でてこい! いるのはわかっているんだ!」 俺は誰もいないところに むかって叫んだ。 「…ばれたのか~?」 何もないところ、 正確には真っ暗で何も見えないところから、 少女が現れた。 「…?嘘だろ…。」 俺は、その少女を知っていた。 黄色い髪、かわいらしい童顔、黒い服…、 そして・・・、 髪に結ばれた赤いリボン。 その少女は俺にむかって つぶやいた。 「ねぇ?あなたは食べてもいい人類?」 そう…。 俺の目の前に現れたのは…、 「ルーミアか…。」 ルーミアと呼ばれる妖怪だった。 ※ルーミア 闇を操る能力を持つ妖怪。 そのかわいらしい童顔とは うらはらに、人を喰う 人喰い妖怪でもある。 ルーミア 「食べてもいいのか~?」 「どちらかと言うとダメだな。」 ルーミア 「そーなのかー?」 「そーなのだー。 でも、お腹が空いているなら…」 俺はポケットから あるものを取り出した。 ルーミア 「なんなのだ?」 「ハイチュウ!グリーンアップル味!」 ルーミア 「ハイチュー?」 俺はハイチュウを ルーミアに渡した。 「俺はダメでも、 それでお腹をふくらますくらいならできるだろ?」 ルーミア 「…パクッ。 …おいしい!」 「よかった…。」 ルーミア 「もう一個~!」 「え?はい。」 もう一つ渡す。 ルーミア 「もう一つ~。」 「え!?」 …結果、 ハイチュウ7個で、 ルーミアは、止まった。 「もう大丈夫?」 ルーミア 「うん。ごちそうさま」 「あはは…。よかった…。」 ルーミア 「えっと…。」 「あ、俺は刃。 よろしくね、ルーミア。」 ルーミア 「…?なんでルーミアを 知ってるのだ~?」 刃 「え?ああ…それはね…」image=301721093.jpg
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