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「遅いぞ氏繁! なにやってる!」
前線で氏繁公を怒鳴っているのは、玉縄城主・“地黄八幡”北条綱成公。
遠くからでも分かる凄い迫力である。
さすがは北条家中随一の猛将といったところか。
綱成公は城下町を守るべく、玉縄城から打って出て、玉縄城の東・大船らへんに陣を張る宇都宮軍に対峙している。
宇都宮軍のほうに、今のところ動きはないようだ。
・・・・・・!?
突如、宇都宮軍の陣から、なんか飛んできた。
それも、次々と。
その飛翔物の飛来により、騎馬で構成された北条軍前線が崩れだす。
馬や兵士の悲鳴轟く中、次々と北条陣営に飛んでくる“何か”
「まさか・・・・・・敵は“大筒”を!?」
大筒。
この時代において、火縄銃と並ぶ最新兵器。
・・・・・・要は大砲のことである。
「大筒にしては威力が弱いね。そのくせ雑兵にまで大量に配備されている・・・・・・南蛮製の大筒は高級品だから、そんなことはありえないよ」
あれ?
ひかるさんいつの間に!?
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