6.155X年 晩秋 相模国  東海道~玉縄

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「遅いぞ氏繁! なにやってる!」 前線で氏繁公を怒鳴っているのは、玉縄城主・“地黄八幡”北条綱成公。 遠くからでも分かる凄い迫力である。 さすがは北条家中随一の猛将といったところか。 綱成公は城下町を守るべく、玉縄城から打って出て、玉縄城の東・大船らへんに陣を張る宇都宮軍に対峙している。 宇都宮軍のほうに、今のところ動きはないようだ。 ・・・・・・!? 突如、宇都宮軍の陣から、なんか飛んできた。 それも、次々と。 その飛翔物の飛来により、騎馬で構成された北条軍前線が崩れだす。 馬や兵士の悲鳴轟く中、次々と北条陣営に飛んでくる“何か” 「まさか・・・・・・敵は“大筒”を!?」 大筒。 この時代において、火縄銃と並ぶ最新兵器。 ・・・・・・要は大砲のことである。 「大筒にしては威力が弱いね。そのくせ雑兵にまで大量に配備されている・・・・・・南蛮製の大筒は高級品だから、そんなことはありえないよ」 あれ? ひかるさんいつの間に!?
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