3.155X年 晩秋 相模国  小田原城下

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「・・・・・・いやあ、まさか“就活”に行ったはずのこの時代で、“婚活”まで成功するとは思わなかったわ! あはははは!」 “北条家”の本拠地・小田原城の城下町へ向かう道中。 ひかるさんのマシンガントークは止まらない。 「で、うちのダンナってのがね、なんとあの“地黄八幡(じおうはちまん)”と恐れられたあの北条綱成(ほうじょう つなしげ)の息子、氏繁(うじしげ)なんだよねっ!」 はいはいごちそーさん。 ん? 北条綱成・氏繁親子・・・・・・ ・・・・・・あ。 そういや俺がもといた時代で夢中になった戦国もののシミュレーションゲーム 「信長の野郎(注)」 にたしか居たな。 史実で有名な奇襲戦「河越夜戦」で活躍した実績から、主に戦闘能力が高めに設定されていて、“地黄八幡”の異名に恥じない活躍をしてくれたっけな。 で、その息子・氏繁は父・綱成ほどじゃなかったけどそこそこ能力高めで、“いくさ馬鹿”の父親と違って内政面の能力もそこそこだったから使い勝手は父親以上だったな。 確か綱成はもともと北条一門じゃなく、北条家二代目当主・氏綱(うじつな)の娘を嫁に貰って一門になり、その息子・氏繁もまた、氏綱の息子で北条家三代目当主・氏康(うじやす)の娘を嫁に貰ったという。 ・・・・・・なんつーインブリード(近親)配合。 (注)「信長の野郎」・・・・・・20世紀末から続く大ヒット戦国ものシミュレーションゲーム。最新作では日本統一後の幕府運営、世界進出までシミュレートされており、例えば信長による統一幕府「安土幕府」300年の行く末、その果ての21世紀の姿まで描き出すことができるという・・・・・・って、「シム○ティ」だろ、それ。
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