4.155X年 晩秋 相模国  小田原城内

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小田原城内・北条氏繁の屋敷。 氏繁の本来の拠点は、父親の綱成が城主を務める鎌倉の玉縄(たまなわ)城にあるというが、一門の本拠地・小田原での仕事の際にこの屋敷を使うのだと言う。 そして俺は、ひかるさんの手引きで、これから氏繁公に引き合わせてもらえるのだと言う。 やべ。 なんか緊張してきた。 「大丈夫だよ! だって、ボクのダンナだもん!」 何がどう大丈夫なんですか、ひかるさん。 俺がガチガチになりながら待っていると・・・・・・ ――ドドドドドド・・・・・・―― な、なんだ、この音!? すると、奥から、武将然とした大男がこちらへむかって駆けて来るではないか。 必死の形相で、こう叫びながら。 「ひかるぅー!! どこいってたんだぁーっ!! 心配してたぞぉー!!!」
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