7.155X年 晩秋 相模国  大船近郊

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「ちょっとちょっと! アタシのバズーカ使いながら、何でそんなに負けてるのよっ!!」 敵陣・宇都宮軍の奥に、突如、大軍が現れるやいなや、よく通る女性の声が響き渡った。 アタシのバズーカ・・・・・・・!? 「あれが、宇都宮の“新入社員”・・・・・・」 ひかるさんがまじまじと、声の主たる女性武将を見る。 西洋甲冑のようなメタリックな鎧兜。 顔立ちはきりっとした、端正な顔立ち。 そして、兜からはみ出た、ウェーブした金色の髪。 「・・・・・・多分アイツ、宇都宮家中では“南蛮人”だと思われてるだろうなぁ」 俺は思わず呟く。 「そうね・・・・・・」 ひかるさんも、呆れながら同意する。 それとは対照的に、にわかに湧き上がる宇都宮陣営。 その歓声に応えるように、ひときわ大きな声で女性武将が吼える。 「このアタシ――上之宮玲菜(うえのみや れいな)が来たからには、宇都宮の勝利は間違いないわっ!!」
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