7.155X年 晩秋 相模国  大船近郊

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「よいか皆のもの! 狙うは敵総大将・上之宮玲菜! 我らの力、存分に見せてやれ!!」 城主・綱成公の檄に、兵たちが一斉に 「おおーっ!」 と勇ましい雄たけびを上げる。 一方、玲菜の登場により一時は盛り上がった宇都宮陣営は、不気味なくらい動きを見せなくなった。 「きっと怖気づいておるのじゃ! 上之宮の首はワシがいただく!」 血気にはやった主力騎馬軍団の一部が、綱成公の制止も聞かず、いきり立って宇都宮陣に切り込んでゆく。 その時だった。 「愚かな! “戦車隊”! 前へ!!」 玲菜の号令の元、戦場に、くぐもったような音が轟く。 その音とともに現れたのは・・・・・・ 「・・・・・・なんだありゃ?」 バズーカを抱えた兵士を乗せた小ぶりな荷車のようなものが十数台。 先端にバイクの運転台のようなものがついており、運転手と思しき兵士がハンドルレバーのようなものを握っている。
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