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「は、廃部ぅ!?エア部がぁ!?」
「うん……」
数分後、ひかると愛流は購買でサンドウィッチ、焼きそばパン、メロンパンと飲み物を買い込んで屋上のフェンスに寄りかかるように座って、遅めの昼食をとっていた。
ひかるの言う「エア部」とは「エアリアル部」の一般的な略称だ。
「三週間後の明瞭とのレースに勝たないと廃部になっちゃうんだって・・・・・・」
「つか、エア部って今は愛流だけなんでしょ?」
「私はレース専門じゃないから出れないし……。誰かに助っ人を頼まないと……」
「助っ人ねぇ・・・・・・」
愛流は食べかけのサンドウィッチを抱えたまま俯いて静かになってしまった。
これは中学のときに初恋の村田くんにフラれたとき以来のピンチだなと、ふとそんなことをひかるは思い出していた。
食べかけの焼きそばパンを一気に頬張ると、ひかるは急に立ち上がった。
「よっしゃ!そういうことなら、あたしが一肌脱ぎましょう!」
そういってひかるは控えめな胸をドンと叩いて見せた。
「へっ?いいの!?」
きょとんとした表情で愛流はひかるを見上げた。
「いいっていいって!大船に乗ったつもりで任せなさい!」
さらにひかるは大仰にのけぞって見せた。
「あ、ありがとう、ひかるちゃん!」
「よし!そうと決まれば、時間もないし今日の放課後から練習始めようぜ!」
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