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なにはともあれ、まずは、今日を楽しみますか。
「先輩、バッティングセンターに行きましょうよ!」
初めての合宿で気分は上々。暑さは気にしない。
「ここにあったか?」
そうだ、ここはいつもの場所ではないんだった・・・・・・。
「まあ、あると思うぜ? 無くても、公園ぐらいはあるから、投球練習は出来るんじゃないか?」
なるほど・・・・・・。バッグにはグローブとボール。場所さえあれば何時でも準備完了だ。
「じゃあ 探しましょう!」
そして 残り3時間12分。
「見つかんねーな?」
「・・・・・・投球練習に変えてもいいっすか?」
「じゃ、あの公園でしようぜ?」
「はい!」
公園には人っ子一人居なかったが、木陰が多く比較的涼しい場所だった。ここなら暑さを気にする事はないだろう。
「お願いします」
「全力でもいいぜ?」
俺は振りかぶって球を投げた。
ボールは大きな音とともに綺麗にミット収まった。でも、手や腕には何か違う感覚を覚えた。
「・・・・・・」
素質があるのか? ジャイロ回転している・・・・・・。 宮沢は、辻沢が放った球筋を見て、ふと思った。
「先輩、どーしたんすか?」
「いや、何でもない」
宮沢は素っ気なく言い、ボールを辻沢に返した。
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