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「Mr.クラウス‥いや‥ルイ久し振りだな」
俺が抵抗しない(というか唖然として動けねぇ)のをいいことに俺の腰を抱き体を反転させて自分の方を向かせた
『っ‥!?』
───久し振り?
何言ってんだ俺初めて会ったはずだし何で名前を‥?
驚く俺をよそに目の前の魔王様は目を細めると腰を力強く抱いたまま俺の頬をなでる
それも愛おしそうに‥
って何おとなしくしてんだ俺‥
戸惑いながらも目線を目の前の男に合わすと真っ直ぐにそして‥恍惚とした色の混じる赤い瞳が俺を射抜いた
『‥‥っ‥』
まるで捕らわれるような感覚‥呪われた宝石に魅入られそして思考まで溶かされそうになる
じわじわと体の奥から熱が浸食してきて意識も虚ろに成り代わる
気付いたら俺は魔王様の首に腕を回し恍惚と魔王様を見つめていた
「‥ルイ‥お前を愛している」
そうしてそんな状態の俺に甘い声を投げかける魔王‥
その甘い毒針のような行為は俺の意識へととどめを刺し‥
俺は溺れるような感覚に身を委ねるのだった‥
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