Chapter3

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『まったく~、ホントに優也くんはへたれチキン野郎なんだね~』  学校も終わって家に帰った後、隼人から電話があって、うっかり昼休みのことを話してしまい、言われたことだ。  確かに否定はしないけど、肯定もしたくない言われ方だな…… 『そこまでいいシチュエーションなんだからさぁ、告白まで行かなくてもアドレスの交換なり何なりあったでしょ? まったく、ホントに……』  長々と話す隼人の言葉を聞き流しながら、学校の宿題に取りかかろうか、いや、ここは菓子でも食うか、それとも咲那の代わりに飯でも作ってやるか、どれにするかを考えていた。 『でさぁ、そのヒロインの娘が……って、優也くん聞いてます? もしも~し。』 「ん? ああ、結局菓子だろ?」 『はい? 何言ってんの?』  抜かった、考えていた事をそのまま言っちゃったぜ。 『まぁいいや。  ……そうだ! 良いこと思い付いた!』  気にする素振りを見せず、隼人は急に訳のわからんことを言い出した。  良いこと……普通の人ならそのままの意味でとらえるかもしれないが、こいつの場合はそうはいかない。  確か、前のこいつの"良いこと"は新作ゲームがどうとかで連れ回されたからな。どうせまたそんなところだろう。 「先に言っとくけど、俺にメリットがないかぎり、その"良いこと"には乗らんからな。」  先に釘を刺しておかなきゃ何をしでかすかわからんからな。酷い言い様だが、あいつはそういう奴だ。 『フフフ、明日楽しみにしてなよ。  そいじゃ、もう切るね。明日の準備もしなきゃいけないし。んじゃ。』 「ちょっ、待て───」  ツーツーツーツー  野郎、ガチで切りやがった。明日を楽しみにしてろだぁ? 「どうせ、ろくなことじゃないんだろうな……」  一人で呟きベッドに転がり込む。咲那は委員で遅くなるって連絡あったから、あいつが帰るまで寝るのもいいだろう。 「んじゃ、おやすみ」  誰に言う訳でもなく、一人で呟いて眠りについた。
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