Chapter6

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 紫と一緒に教室で飯を食ってると、何か嫌な視線を感じそうなので(隼人曰く、リア充は死ね的な……リア充って何だよ……)、屋上で昼飯を食うことになった。 「わぁ、美味しそうなお弁当ですね~」  俺の弁当を見ながら、紫がそう言った。作ったの俺じゃなくて咲那なんだよな…… 「へぇ……ご両親はどうなさったんですか?」 「死んだよ……」  俺がそう言った刹那、紫が悲しそうな顔をした。 「そんな……ゴメンなさい……」  別に悲しんでない。昔ならいざ知らず、今となっては死んでくれて清々している。 「そんな……どうしてそんな事を……」 「だって仕方ねぇだろ? 自分で作った借金返すために死んだんだ、自業自得もいいとこだぜ。」  そこまで言った直後、  パン!  ビンタされた。紫にビンタされた。 「酷いです……人の死を……そんな風に言わないでください!」  紫は涙を流していた。 「どんなでも、たとえ王様でも、死んだ人を貶すことは許されません!」  俺は理解した。あぁ、俺はとんでもない事を口走ったのだな……と。 「あぁ……悪かったよ。」  俺がそう言うと、いつもの笑顔に戻って、 「わかってくれたならいいんです。これに懲りたら一生、人の死をバカにしないでくださいね。」  そう言った。  あぁ、二度と言わねぇよ。  今となっては、言える口も無くなったしな……
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