Chapter6

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「で、しちゃったの?」  いつものように校門で紫を待ってると、隼人がわけのわからねぇことを訊いてきた。何をしちゃっただよ。 「若い男女が誰もいない屋上なら……最低でもキスとか接吻とかチューとか……してるよね?」 「してねぇよ!」  確かに誰もいなかったけど……って! 何で屋上にいなかったお前が、屋上に誰もいなかったってわかるんだよ! 「僕が仕組んだ……いや、偶然じゃないかな?」  明らかに仕組んだって言ったけど、気にするだけ無駄ってやつだ。 「じゃあ、キスとか以下略、してないの? つまんないなぁ」  つまらなくて結構。外でそんな破廉恥なことはしたくないんだよ。 「破廉恥って……いつの時代の人間だよ……今時キスとか普通でしょ?」  普通……なのか? まぁどうせ隼人のことだ。 「ギャルゲならね。」  こんなことだろうとは思ったけどな。現実とゲームの区別がつかねぇのか、こいつは。  そんな会話をしているうちに、紫が小走りでやってきた。 「ま、頑張ってみなよ。じゃ、邪魔者は消えますかな、じゃね。」  そう言って、せっせと走っていった。何なんだよあいつは。
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