Chapter6

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「昨日に続いて今日まで……霧崎さん、そんなに忙しいのでしょうか?」  帰り道、隼人のことを心配した紫がそう言った。さぁな、あいつの考えだけは理解できん。したくもない。 「そうですか……」  そう言うと、紫は考えるように腕を組んだ。そんなに隼人のアホのことが気になるのか? 「いえ、霧崎さんのことじゃなくて、今日のお夕飯のことを……」  お夕飯……あぁ、晩飯か。晩飯……何か大事なことを忘れてたような…… 「あぁぁぁぁ!」  急に大声を出したからか、紫がすごく驚いている。悪いがそんなこと関係ない。 「晩飯……晩飯か……忘れてた……」  それは今朝、咲那から言われた一言だった。 「今日遅くなりそうだから、先に晩御飯作って食べててね。」  何かデカイリュックサックを持った咲那がそう言った。  いつもの朝ならちゃんと聞いていたが、昨日のことが嬉しすぎて、夜通し喜びに浸っていたため眠っていない。まぁ、はっきり言って寝ぼけていたわけだ。  普通の男はどうか知らねぇが、残念なことに俺は料理のスキルがない。『晩飯を作れ』って言われて『わかったよ』と言えるほどの腕は持っていない。  だがそのときの俺は寝ぼけていたため、 「あぁ、うん……わかったよ。」  と、アホな答えを出してしまったわけだ。
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