Chapter6

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「わたしの恋路を邪魔する、高坂紫って女をね、叩き斬ってきたんだよ~。」  ……思考が完全に停止した。……紫が死んだ……とでも言うのか? 「あのバカ女ね、わたしが包丁でぶっ刺してるときに『助けて、優也さん』なんて言うんだよ? ムカついたからバラバラにしてあげたよ。アハハ。」  いつもと同じ笑顔で、しかしいつもと違うことを口走る咲那。  ……咲那……紫……死……包丁……邪魔……殺……晩飯……高坂家……ファーストキス……  いろいろな単語が浮かんでは消える。  モウナニモカンガエタクナイノニ 「これで邪魔者は消えた……最初からこうすればよかったのよ……これでお兄ちゃんはわたしだけのもの……ウフフフフ……アーッハハハハ」  笑いながら手を伸ばしてくる咲那。この手に、捕まるわけにはいかない!  俺は動かぬ足を無理やり動かし外へ出た。  とにかく、逃げるんだ! 逃げなきゃ……捕まったら……
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