Chapter2

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 家から出て十五分。ようやく学校に着いた。校門には入学式と書いた看板が建っていた。あとは桜が舞い散っているくらいだ。凄く静かだった。  その校門の前に一人の少女が立っていた。時間がちょっと早いためか、周りには生徒が誰も居なかった。この時間にいるということは、俺と同じ新入生だろう。 「あんたどうしたんだ? 入らねぇのか? 」  見てるだけでは、話が進まないので声をかけてみる。声をかけられた少女はびっくりしたような顔でこっちを見てきた。 「あっ、悪かった。急に声かけちまって。驚かせるつもりじゃなかったんだ。」  必死に弁解する俺。あれ? 俺なんでこんなに必死なんだ?   俺の必死さが伝わったのか、少女の顔が穏やかになってきた。 「こちらこそすみません。初めて来る日だったので、緊張しちゃって……」  少女は悪いことをしたような顔で謝ってきた。 「いや、あんたは謝ることねぇよ。原因はこっちにあるんだから。それより、あんたも新入生だったりするのか? 」  いつまでも謝り合いをしていても話が進まないので話題を変えることにする。 「はい、高坂紫と申します。」  そう言ってまたペコリと頭を下げた。  高坂紫(コウサカユカリ)それが彼女の名前らしい。 「ご丁寧にどうも。俺は高崎優也。まぁ、新入生同士仲良くしようぜ。」  そう言うと彼女、紫の顔が今まで見たことない笑顔になった。 「はい! よろしくお願いします。」  全ての者を幸せにするような笑顔だった。俺はこの笑顔に心惹かれていった。 「それじゃ行くか。」 「はい! 」  それが俺と紫の出会いだった。そして俺が初めて恋をした時だった。
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