第一章

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(1) (ヤンキーが来た) 雄太が最初に抱いた感想は、それだった。 いつも通りコンビニのバイトに来た雄太だったが、今日はいつもと違い新人の女の子が居た。 普通の女子なら、雄太もおかしな感想を抱きはしなかったのだが、その女子の見た目といったら ヤンキー この一言に尽きる、いや尽きてしまう。 「よろしくお願いします」 「ああ、よろしく」 義務的な挨拶を済ます、佳奈と雄太。 中庭様であること意外普通の人間である雄太は、ヤンキーという人種に縁など無い。 面倒くさがりやの雄太は、そういう人種と関わることを極力避けている。 何かが起きれば確実に面倒なことになると思っているからだ。 関わらない、そう心に決めた雄太だった―― ――が、思い通りにならないのが人生であり、今回の出来事で自身の考えの正しさを、改めて確信することになる。
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