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その後帰ろうとする俺を引き止める組員を空手でなぎ倒し、玄関まで歩みを進めた。
「---また、あんたかよ」
「帰すわけにもいかないので」
帰りたいが故に俺は必死だった。
バキッ
俺の拳を真っ正面から受けた霧生は、唇が切れて血が滲み出した。
人を本気で殴ったのは初めてだった。
「手が震えていますよ、修羅さん」
微動だにしない男に苛立ちを覚える。
殴られたのに顔色が全く変わらなかった。
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