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次の日
「…………………」
今日はいい目覚めだ
なにひとつ心に憂いがない
陰も翳りもない
「あっ深夜様おはようございます
今日はお早くお目覚めになられたんですね」
笑顔で入ってくる葉月
……もしかすると昨日のもやもやとした目覚めは葉月が学校に来る悪い予感からきたものなのかもしれない
「……あぁ…おはよー」
あくびをする
「お着替えになられますか?
それならば私がお手伝いを──」
しなくていいぞ
「わかりました」
シュンとしながら部屋を出ていく
「……………予知能力!!!?」
あっいやすまん
ちょっと前のモノローグにつっこんでしまった
着替え、降りる
「おはよ弥生、セバスチャン」
「───────」
「お早よう御座います深夜様
本日のあさげは粥となっております
ご賞味下さいませ」
大量の薬味と一杯の白粥
どうやらお粥に薬味を入れて食べるようだ
……食ってばっかしだな…最近
「じゃぁ弥生、セバスチャン行ってきます」
防寒具一式を身にまとい葉月の手を引いて挨拶する
ヤバいお粥がうますぎて食い過ぎた!!
遅刻する!
「それでは弥生ちゃん洗馬寿様いってま──」
葉月の挨拶を待たずに飛びだす
ホントに遅刻する
「お待ちください深夜様
いま静流を呼んでますからお車で参りましょう」
おぉ…その手があったな
「静流ですお待たせ致しました
事情は大方理解しております
急ぎましょう」
車に乗り込む
もちろんロールスロイスだ
「飛ばしますので掴まっていてくださいねぇ!!」
静流の運転手モード
やはり普段のほうがいい──!?
突然、Gが消え去る感覚
直後とんでもない衝撃が俺の身体を襲い俺は車の座席にめり込んだ
「~~~~~~!!!」
速すぎるだろ!!
道路交通法という法律が存在するのを知らぬとは言わせんぞ!
「よぉ深夜今日は早いなやけに」
教室に入るとすぐにそんな言葉をかけてきた斬兎
ほんとは遅刻するかと思ったんだぞ
「そうなのか?
…まぁ疲れた顔してるしなんかあったんだな」
分かってくれるか
「そうだあのメイドさんは?」
葉月か?
それならその辺に……
「……………?」
居ないな
どこ行ったんだ?あのバカ
「まぁいーじゃねーか
葉月も忙しいんだろうよ」
俺のメイドなのにな
「そうだ悪りぃ俺、今日早朝講習だ」
そういって教室から出ていく斬兎
荷物……入れようか……
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