芹沢局長とお梅さんとそれから私 弐

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―――よかった。芹沢さんの横で死ねて。 私の耳元でそう聞こえたような気がする。 「…なんで桜子さんは微笑んでるんですか?」 沖田が言うと桜子はやっと力の入った腰を持ち上げるように立って言った。 「悲しいからですよ。」 持ってきたお茶が湯気を出していた。 お梅さんが手にすりこんでくれた何かはふわっと梅の香を私の鼻へと届けた。 "病は気から"と言いますが…"あかぎれは気から"とは言いませんよ、お梅さん。 けどあかぎれが治りそうです。そんな気がする。 ―――確かに魔法の薬だ。 「これ、ただの梅の花の蜜を水で溶いただけのモノなんですね。」 桜子は、笑った。
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