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―――
「すっすみませんっ永倉さんっ!」
「…ああ別にいいよ。」
息切れをしている桜子を見て永倉は思う。
…こいつ、女中捜し…忘れてたな。
俺には朝飯終わった後に
"永倉さん、この後直ぐに用意するので大広間で待っていてくださいねっ♪あ、遅刻とか許しませんよ!"とか言っといて…自分が遅刻してんじゃんかよ!
「ほんっとすみませんっ!」
「もう気にすんなよ。行こうぜー」
と、言いながら俺は右手を桜子の前に出す。
「さあっ行きましょう♪」
しかし桜子はその手を見てみないふりをして、歩きだした。
…まあ、いいけどね。
頭を軽くかき、急いで桜子の元へ行く。
「あれ?今日、いつもの着物と違うじゃん。」
「あ、気づきましたあ~?」
そう桜子が言ってくるっと一回りした。
「これ、こないだ買ったんですよー!桜で綺麗でしょう。」
「―――うん。」
「でしょう~」
―――可愛すぎるっ。
あれ?俺ってこんな性格だったっけ?
てか、反則だろ。
今日一日、俺は生き地獄だよ…。
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