俺と桜子とそれから洗濯

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やっと10枚、配り終わった…。 こんなことだと桜子に"まだそれだけですかっ!ぱっぱと配ってくださいよ!"とか言われそうだなあ…。 ―――あれそういえば桜子は? 周囲を見回すが桜子らしき人物はいない。 「…桜子ー?」 一応、呼ぶが返事が帰って来ない。 ―――まさかっ! 最悪な事態を予想し永倉は地を蹴った。 最悪な事態とは、簡単に言えば誘拐だ。 新撰組と何かと対峙している長州の奴らが桜子を誘拐し、人質にしようとしているかも知れない。 ―――桜子っ! ふと刀をぶら下げている何人かの男が目に入った。 「おいっ!」 永倉はその男らの中の一人の肩を掴んだ。 「横に髪を結ってて、桜の着物を着てる女を知らねぇーかっ!?」 言われた男はいきなり肩を掴まれたものだから顔を真っ赤にし永倉の手を振り払った。 「知らねぇよ、そんな女っ!てか、てめぇ!俺の肩掴んでただで帰れると思うなよ!?ほら、痣ができちまったぜ?」 永倉は男の言葉を無視し歩きはじめた。 …桜子っどこに行った!?
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