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今度は男が永倉の肩を掴んだ。
「聞いてんのか、兄ちゃんよォ?お前が掴んだ肩、痛くてしょうがねぇんだが?」
「…」
「無視かい。いい度胸だね。」
男らは腰の刀を鞘から抜いた。
永倉はやっと振り向くと男を睨みながら刀を抜いた。
「…おい、新撰組に逆らったら斬られるぜ?」
「…てめぇ、新撰組の隊士か。だがな、俺達は5人、てめぇはてめぇだけだ。5対1では敵うわけねぇ。かかれっ!」
その言葉で男らは永倉に刀を振り落とす。
それをひょいと避けると永倉も刀を振り落とす。
一人、二人と永倉に斬られ鮮血が飛び散る。
「てめぇら、この永倉新八に斬られることを誇りに思うんだなっ!」
「…ちっ、こいつぁただの隊士じゃねぇ。二番隊隊長永倉新八だ!引くぞっ!」
3人は急いで逃げていった。
…報告書書くんだよな…。めんどくせぇ。
―――って桜子探してるんだった!
急いで刀をしまおうとするが手が震えてなかなか鞘に入らない。
「くそっ!こんな時に!」
―――そんな時だった。
「永倉さん?」
「…」
桜子だった。
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