私と糖分とそれから斎藤さん

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おかずが焼き魚で…あっ…煮付けもいいなあ。 けど下準備してないしな。やっぱ焼き魚で。 桜子は一気に袖を捲ると魚をおろしはじめた。 「う~生臭い…」 生臭さと戦いながらおろしていく。 あっ!生姜もすらなきゃっ! あ゛ー!お米ふいてるっ! 「だっだれか!蓋取って!」 この時間はほとんど隊士がいないにもかかわらず助けを求めるほど忙しい桜子。 そのとき、―――甘い匂いがした。 「これ、とればいい?」 「斎藤さんっ!」 「…熱っ…」 素手で蓋を取ろうとする斎藤さんに厚手の手ぬぐいを渡す。 「これ、使ってください!」 黙って受け取る斎藤さんの手はまさしく猫の手だった。 「それで、このしゃもじで適当に混ぜちゃってくださいっ」 またまた黙って受け取る斎藤さん。
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