私と糖分とそれから斎藤さん

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「あれぇーどうしたんですかあ?」 「あ…おはようございます、藤堂さん…。このクマですか?」 私は自分の目の下のクマを指差す。 「すごいクマだね~」 「まあイロイロとあったんです…」 まさか"人魂が怖くて斎藤さんの部屋に居座り、沖田さんとお菓子を食べて一睡もしていません"とは言えないでしょう。 「おいっ総司、どうしたんだ?そのクマ。」 「ほっといてくださいよ、左之さん。」 あー沖田さんも言われてるなあ…。 てか、朝ご飯の用意! たまーにくる眠気と戦いながら必死に朝ご飯の用意をする。 「―――大丈夫か?」 「あぁ斎藤さんですか。なんとか大丈夫です。」 とかいいつつ…結構つらい。 「じゃあ、甘味はまた今度行こう。」 「!それはダメですっ!約束ですから今日行きましょう!」 「…わかった。」 約束は破らない―――これは私の鉄則なのだ。 「桜子さんっおかわり~」 「はいっ行きます!」 忙しそうに飛び回る桜子を静かに見つめる斎藤。 「―――甘味か。」 微笑してお茶を啜る斎藤だった。
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