私と糖分とそれから斎藤さん

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*** 場所は変わり土方さんの部屋。 私と沖田さんが土方さんの前に正座している。 ―――否、座らさせられている。 「《反省文 沖田・桜子》」 土方さんが"何か"を読みはじめた。 「《私達は、自らの仕事を放棄し、非番の斎藤さんと甘味処で白玉や餡蜜を食べました。 しかしそれがいけない事とは思ってません。 何故なら、斎藤さんのいろんなことを知れたいい機会だったからです。》」 ぷるぷると私たちが書いた反省文を持つ手が震えてる土方さん。 「てめェェェら!!!反省文じゃねェじゃねーか!」 うっ!鼓膜破れますっ! 二人とも耳を塞ぎ小さくなる。 「土方さぁ~ん!許してくださいよぉー。それにっ!斎藤さんを観察した結果、聞きたくないですか?」 土方さんの隣に猫のように擦り寄る沖田さん。 やめろ―――と頭を押し返す土方さん。 「…まあ、あいつはなぞな奴だからな。」 「報告しますっ! 斎藤さんは甘いものが好きな事が分かりました。」 沖田さんはそう言うと、いきなり立ち上がり私の手を引っ張った。 「では、報告終わります!」 にこっと笑い部屋からでる沖田さん、と引っ張られている私。 「こらぁ!説教まだしてねぇぞっ!」 後ろから鬼の声がする。 あっ…甘い匂いがする。 今持ってる飴はなにかなあ…? 「斎藤さんっ!」 甘い匂いがする三番隊隊長がそこにいた。
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