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雨がうるさい朝だった。
「…じめじめする。この調子じゃ洗濯できないかも…」
ざーざーと止むことのない雨を見て、私はため息をついた。
中庭は水溜まりがそこら中にできた。
そこに溜まる雨を桜子は見ていた。
―――その時だった。
空から人が降ってきた。
あ、違う屋根から。
ばしゃんっと大きい音をたて水溜まりが揺れた。
「―――山崎さんっ!?」
そこら中に傷痕がある山崎の姿がそこにあった。
裸足のまま中庭に出ると山崎の側に駆け寄った桜子。
「どうしたんですかっ!?山崎さんっ!」
「―――さ、くらこちゃんか…。任務、失敗したん…」
微笑む山崎さんの腕から流れる血が水溜まりに溜まる。
「まっ待っててください!今、土方さん呼んできます!」
裸足だったので泥に足が埋まる。
―――雨は嫌いだ。
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