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「え~、なんで僕がそんなこと調べなきゃならないんだよ…眠いのに」
眠りネズミは文句たらたらだったのだが、結局調べてくれた。何せ気まぐれな女王様のことだから、眠りネズミが協力しなかったなんてことがバレたら、首を切りかねない。
「んー…近くに一応、大きな写真館があるね。そこに行けば、衣装は貸してくれるんじゃない?」
眠りネズミの言葉に、白ウサギが溜息を吐く。
「直接言って交渉するしかないですかね」
「あたしも行こうか?」
あたしがそう言った時だった。あれこれと七夕パーティーのことを考えていたらしい女王が
「白ウサちゃん、飾りを作りたいの。折り紙買って来てくれない?」
と言う。
「はい、今すぐ!」
白ウサギはそう返事を返しながらも、衣装の方をどうするかと考えているようだった。
「いいよ、あたしが一人で行って来るから。そんなに遠くないし、大丈夫。白ウサギは女王様の所に行って」
あたしはそう言って、白ウサギの背中を押した。
「じゃぁ、すみません。そっちはお願いします」
白ウサギが申し訳なさそうに眉を下げた。
「いいから、いいから」
あたしはパタパタと手を振り、それから眠りネズミのパソコンをのぞき込んだ。写真館の場所をしっかり確認する。
「よし、じゃぁ、あたし行って来るね」
あたしがそう言う頃には、眠りネズミはスースーと寝息を立てていた。
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