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「「は!?」」
ジェメロスを含め、兵士達の視線がガイストに集中する。
「いやいやいや、知らねぇって!! だいたいオッサンいつ俺の背中見たんだよ」
焦って喚くガイストに、村長も面喰らいながら答える。
「村を訪れた際、剣士様は暑いと仰りながら上着を脱いでらしたので。これはドラゴンの使いに違いないと」
「……あー。あったなぁそんなこと。いや、でもよ、無かったんだって」
「アザがあれば手を貸す。だったよな」
爽やかな声に恐る恐る振り向けば、満面の笑みを浮かべた王子の姿。
「有難うガイスト・リッター。君の協力に心から感謝するよ」
キラキラと兄にも勝る笑顔に、言葉もない。
「でも、そんな、だって……。う、嘘だろ~!!」
平和の訪れたエリアールに、ガイストの嘆きが響き渡った。
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